私は、
iPod で音楽を聴いている訳ですが、
音質を良くする ためには、以下の方法をお勧めします。
1. PCからの曲管理を簡単にしたい人向けiTunes でリッピング(CDを変換すること インポートともいいます)するときは、
1. iTunes AAC 256Kbps
2. アルバムジャケット登録
3. (歌詞の編集などはお好みで)
iTunes登録も自動にできますし、
音質とパフォーマンスのバランスが最も良いです。
これが最も簡単な王道パターンです。
AAC形式でリッピングするなら、iTunesが最も優れています。
新規iPodユーザーならAAC形式を使うのが何かと便利かと思います。
後は、iTunesの
編集→再生→サウンドチェックをONすれば良いです。
iPod 側もサウンドチェックを
ON してください。
長所・ 曲管理が簡単。他のソフトを使う必要がなく、iTunesだけで管理可能。
・ AACのリッピング技術は優秀なので、簡単なわりにはなかなかの音質が手に入れられる。
短所・ 他のMP3プレーヤーではAAC形式は使えない(再生できない、汎用性がない)。
・ サウンドチェックは万能ではないので、曲のバランスがおかしくなることがある。
リッピング形式とは?iTunesで変換できる代表的なファイル形式と特徴を説明します。
リッピングの形式 | 説明 | ファイル容量 | 音質 | 曲数(約60GBの場合) |
---|
WAV | 圧縮なし | 大 1411kbps | ◎ 最良 | 1000曲 |
---|
Appleロスレス | 可逆性の圧縮 | 自動圧縮 900kbps程度 |
◎ | 約1500曲 |
---|
MP3 | 非可逆性の圧縮 | 可変 最大320kbps | ×~○ | 320kbpsで約5000曲 |
---|
AAC | 非可逆性の圧縮 | 可変 最大320kbps | ×~○ | 320kbpsで約5000曲 |
---|
AAC 128kbps | iTunes形式 | 固定 128kbps | × | 約10000曲 |
---|
AAC 256kbps | iTunesプラス形式 | 固定 256kbps | △ | 約7500曲 |
---|
WAV、Apple ロスレスについてWAV、Apple ロスレスは容量が大きいです。
WAV(ビットレート1411kbps)形式
CD1枚、10曲 600MBとして、1000曲で60GBになります。CD-Rで音楽用として焼くことが可能な形式です。
Apple ロスレスは40%位圧縮され音質はWAVと同等とされていますが、アップルの独自技術なのでiPod以外は利用できません。
60GBのiPodでも、1500曲くらいが限度でしょう。
私は、CD-Rでも書き込めるWAV形式を強くお勧めします。
ロスレスよりもWAVやMP3のように汎用性が高いファイル形式にしておいたほうが後悔しないと思います。
MP3,AACについてMP3,AACは最高音質でも(320kbps)で、78%の圧縮になり、60GBで5000曲は可能です。
ちなみに128kbpsなら、91%も圧縮されます。
下記は、リッピング後の波形を比較したものです。
圧縮率が高くなるほど波形はWAV形式からかけ離れていきます(高圧縮128kbps ⇒ 音質劣化)。

iTunesで購入できるファイル形式についてiTunes Music Store で曲を
ダウンロード する場合はAAC 128kbpsです。
これは、
MP3の160kbps の音質に相当する というのが一般的ですが、お世辞にも音質がいいとはいえないと思います。
なお、最近導入された
iTunes plus(プラス) という形式は
AACの256kbps です。
AACの256kbpsの音質は圧縮音源としては満足いくレベルと思います。
まだ、殆どの日本の曲が対応していないのは残念ですが…。
下記リンクも参考にお願いします。
音質向上とCDリッピング最適化 (後編 リッピング後の波形比較)
また、
高音域 に関しては、
AACの方が音質が良いのは 確かです。
ただし、これは低ビットレート(192kbps以下)の話です。
(高ビットレートでは、
LAME_MP3 の方が綺麗に様々な周波数をカバーします。)
2. iPodで最高の音質を引き出したい人向けiPod(圧縮ファイル使用)で最高の音質を実現させたい人向けです。
実際のところ、WAV形式の音質が一番いいのですが、容量が大きく実用的ではないのでここでは圧縮ファイルを使った場合を検証します。
曲の形式はMP3です。
ロスレスやAACでもいいのですが、汎用性が無いので私はおすすめしません。
汎用性が高い MP3には、たくさんの音楽リッピングソフトが存在します。
iTunesでもMP3形式で変換は可能です。
確かに、iTunesでリッピングすると早くて登録も簡単なのですが、独自のエンコーダーは速度優先でオリジナル音源と異なる波形になっていたのは気になります。
また、MP3エンコーダーはiTunesではあまり改善していないようです。
iTunesでリッピングするなら、AAC形式をおすすめします。
MP3のリッピングには、外部のフリーソフト 「
CDex」 を使用しましょう。
それが、圧縮音源の最高音質で最も有名な形式
「LAME MP3」 になります。
LAME (LAME Ain't MP3 Encorder) は、低圧縮でもAACに匹敵する高音質が実現できるMP3エンコーダーです。
Ain'tと言っていますが、LAMEは、MP3です。
他のMP3プレーヤーとの互換性もあるので、LAME MP3はお勧めです。
これは、 「
CDex」 に搭載されています。
(LAMEでリッピングできるソフトは他にもありますが、私はこれが最も優秀と思います)
CDexのダウンロードはこちらちなみに、
CDex は 2009/11/18 の Ver1.70b4 が最終Versionですが、私はちょっと前の Ver1.70b2 を使っています。
フリーソフト 「CDex」 の最良の設定は?マニュアルを見ると、設定はデフォルトのまま変更しないことを薦めていますが、私は
320kbps CBR q2の項目だけ変更しています。
q2 はクオリティです。
私がCDexで設定している 「エンコーダ」 の例を載せます(あくまで一例です。参考程度にどうぞ)。

「オプション」 → 「設定」 でこの画面になります。
「エンコーダ」 以外には、以下の2つの設定をしておくと便利です。
1. 「リモートCDDB」 の 「E-mail アドレス」 をいれると、CDタイトル検索ができるようになります。
2. 「ファイル名」 の 「ファイル名形式」 は 「%1¥%2¥%4」 にします。
この場合、アーティスト、タイトル、トラック名の順にフォルダ階層ができ、管理しやすくなります。
ファイルの保存先は自分の管理しやすい任意の場所 (例 「C:¥ipod¥」) などに変更するといいでしょう。
また、最初のメイン画面に戻って 「編集」 → 「ジャンルの追加/編集」 を行うことで音楽のジャンルを追加することもできます。
CDexは自分でいろいろと調整できるので、お好みで変更するといいと思います。
LAMEは
VBR 192kbps が最もパフォーマンスが良いとされています。
私はパフォーマンスより音質を優先したいので
320kbpsに変更 しています。
さらに、音楽をMP3に変換している時にパソコンはさわりません。
今どきのパソコンなら処理能力が落ち、変換を失敗することもないとは思うのですが、一応念のためです。
また、320kbpsで、
VBR は意味がないような気がするので
CBR にしています。
(これは、ちゃんと検証したわけではありませんが、自分なりの理由があります。下記参照)
VBRとCBRの違いとは?VBRとは、可変ビットレート のことです。
音が少なく情報が必要ないところはメモリーを減らし、 情報が多いところはメモリーを多くとり音質を向上させる方式です。全体的なファイルサイズも基本的には減ります。ただし、一説にはバグも報告されていますし、リッピングに時間がかかる時もある(こういうところが非常に怪しいです)ので私は使いません。
それに対して、メモリーを一定量とるものを
CBR といいます。
ファイルサイズは大きくなりますが、変換時に大きな問題が起きることはほとんどありません。
高ビットレート(320kbps)なら
CBR で良いと思います。
それでも、78%の圧縮になるので十分です。
私は、このリッピング形式と設定で音楽を管理しています。
今のところ、何の不具合もありません。
しかし、iTunesの登録などは自分でしなければなりませんので管理は面倒になります。
面倒くさがらずに、ずっと同じ管理をできる人向けの方法です。
さらに、MP3ファイルは
MP3Gain で音圧レベルの調整をしましょう。
MP3ファイルなら、
MP3Gain でファイル全体の音を直接、一定にできます。
<注意>
MP3Gain で録音レベルの低いものを無理やり上げると、音割れの原因になりますので、気をつけてください。
そのときは、録音レベルを設定を下げて変換し直しましょう。
(同様の理由でiPodのサウンドチェックでは音割れしてしまうことがあります。)
MP3 Gainの設定は、少し低めの
93dB が良いと思います。
またMP3Gainを使ったときは、iTunes、iPodのサウンドチェックは
OFF してください。
MP3 Gainで調整済みなので、サウンドチェックがONだと
音質 低下の要因になります。
MP3Gain については、さらに詳しく解析していますので、下記リンクを参照願います。
MP3GainとAACGainの使い方長所・ MP3ファイル中では最高の音質!
短所・ 容量が増える
・ 曲変換の手間が面倒
・ リッピングに時間がかかる
欠点が多いですが、最高音質を得るためにはこれくらいは必要になります。
慣れてくれば、比較的簡単にできるようになります。
あと、音質を改善したいのであれば元ファイル(リッピング形式)が最も大事です。
いくらいいスピーカーを使っても、元のファイルが悪ければいい音にはなりません。このことは、しっかり覚えておいてください。
私の検証した結果が一番とは言いませんが、デフォルトと比べるとそれに見合っただけの効果はありますので、いろいろ試すことをおすすめします。
私の場合、
・ CDは音質の良い
LAME MP3(CDex等) などでリッピングした後、MP3 Gainで音圧調整。
・ ちょっと試しに聴いてみたいものは、
iTunes Music Storeでダウンロード。
のように使い分けをしています。
音楽はその字のとおり、音を楽しむものです。
負荷にならない程度に自由に楽しみましょう。

iTunes Store
MP3GainとAACGainの使い方 iPodレビュー おすすめイヤホン比較
テーマ:iPod - ジャンル:コンピュータ
- 2006/11/30(木) 08:29:23|
- iPod の音質向上について
-
| トラックバック:1
-
| コメント:35
MacでLAME MP3 を使うなら、 「iTunes-LAME Encoder」 というものが有名です。
また、「MP3Gain」のようなノーマライズソフトのMac版は、「iVolume」です。
私はMacユーザーではないので詳しく検証出来てませんが…。
- 2009/02/27(金) 20:06:36 |
- URL |
- 夢 #-
- [ 編集]
凄いです!
まさに私が探していた記事でした・・・
最近、イヤホンをUEのMetroFi220に替えました。
今までおまけイヤホンでしたので音質に関しては文句なしです。
でも、今までエンコーダはバラバラで全然ダメダメだったから、今回を機に、もう一回入れなおそうと考えています。
そこで質問なんですが、Metro Fi220程度のイヤホンならどのエンコーダが魅力ありでしょうか
?
そもそもWAVとMP320kbps程度の音源ってそんなに違いがないと聞いたことがありまして・・・
- 2010/06/10(木) 19:48:06 |
- URL |
- 羊 #-
- [ 編集]
初めまして。
Metro Fi220ですか。
Ultimate Ears 製品ですね。
劇的に音が変わったと思います。
私がおすすめするのは、上記記事通りで、LAME MP3の320kbpsです。
安いイヤホンでも何でも後で後悔しないように元ファイルの音は良くしておきましょう。
CDexはちょっと設定が面倒なので、iTunesのAACでもいいと思います。
AAC 256kbps
圧縮率を高く(ビットレート低い)すると、聞こえない音が多数出てきます。
WAVがベストですが、私の耳ではLAME MP3 320kbpsとの差はそれほど感じていません。
WAV形式でPCに落とすと容量が膨大になって、管理しきれなくなると思います。
ちなみに、私は記事の通りの設定で1万曲以上 LAME MP3 320kbps の形式で管理しています。
MP3圧縮だと、他のソフトとの互換性も高いので、MP3形式をおすすめします。
- 2010/06/13(日) 07:11:10 |
- URL |
- 夢 #-
- [ 編集]
はじめまして。
我田引水の宣伝行為になり申し訳ないのですが、iTunesにLAMEを使わせるスクリプトを書いています。
http://denspe.blog84.fc2.com/blog-entry-75.html
テキストファイルを直接編集して設定しなければならないため少しとっつきにくいかとは思いますが、
最初の設定さえ済ませてしまえば、iTunesにCDを入れて実行するだけで
「LAME→MP3Gain→画像の取得→ライブラリの置き換え」までほぼ自動で行いますので
羊さんのような入れなおし目的にも向いているのではないかと思い書き込ませていただきました。
よろしければお試しください。
- 2010/06/21(月) 19:49:26 |
- URL |
- 電脳太助 #3aXRcdxk
- [ 編集]
はじめまして。
自分は、CDexのエンコーダー設定を
320kbps
「High(q=2)」
VBR Method 「Disabled」
にしています。
VBRを使う設定にすると、最小ビットレートと最大値が選べるようになりますが、どのように変換されるかが分かりませんので 「Disabled」 にしています。
ただ記事にある通り、私の検証した結果が一番とは言いません。
いろいろ試すことをおすすめしたいです。
- 2010/08/26(木) 22:14:38 |
- URL |
- 夢 #-
- [ 編集]
ジョイントステレオは音質が良くなるという報告もありますが、バグの報告も多いのでシンプルステレオを使っています。
CDのサンプリング周波数は44.1kHzなので、そのままにしています。
48kHzは、DVDで使われる音声のサンプリング周波数です。
変なことをすると、互換性が無くなったり不具合がでるので、基本はデフォルトがいいと思います。
記事にも、設定をアップしておきました。
私は無難な設定を使っていますが、これが一番というわけではないと思いますので、参考程度にどうぞ。
- 2010/09/19(日) 07:09:16 |
- URL |
- 夢 #-
- [ 編集]
CDexでリッピングしたMP3をiPodで再生しようとすると、再生されずに最悪フリーズ起こします
CDによっては一部再生され、一部再生されないのもあれば
全部再生出来ないのがあるので結構厄介です
いったい何なんでしょうね?
- 2010/10/07(木) 21:43:57 |
- URL |
- ルパン #-
- [ 編集]
すいません。
ひっそりパッチは検証できていません。
「ひっそりパッチ」 で検索すると詳しく書いておられる方がたくさんいますので、そちらを参考にしたほうが良いと思います。
なお、今のところ CDexはb3が最も安定しているみたいです。
Window Vista ではb2が使えないみたいなので、メインパソコンを替えたときはいろいろ検証して見たいと思います。
- 2011/11/10(木) 06:37:20 |
- URL |
- 夢 #-
- [ 編集]
自分の場合、CDex → MP3 Gain です。
エンコード方式は
MPEG-1、レイヤー3
LAME3.97
です。
MP3 Gainの段階でおかしくなるとしたら、MP3 Gainの問題でしょうか?
(日本語化対応していないなど)
最近、LAMEの最新版は更新されていないので、自分の場合、昔ダウンロードしたバージョンをそのまま使い続けています。
なお、パソコン(OS)を新しくすると、旧CDex が使えなく可能性があるようなので、Win7にしたときはいろいろ試してみたいと思っています。
- 2011/11/20(日) 06:48:08 |
- URL |
- 夢 #-
- [ 編集]
答えて頂き有難う御座いました。
調べてみたら、MP3Gainは再エンコードはしないそうなので多分変わっていないのだと思っておく事にしますw
お言葉ですが、因みに、LAMEの最新バージョンは「LAME 3.97」ではなく「LAME 3.99」ですよ?
あと、前回で質問したパッチの事ですが、調べてみたら当て方が分かりました。
有難う御座いましたm(_ _)m
- 2011/11/20(日) 16:42:37 |
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- 樹海 #-
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>因みに、LAMEの最新バージョンは「LAME 3.97」ではなく「LAME 3.99」ですよ?
自分の場合、LAMEはあえて最新にしていません。
フリーソフトはちゃんと検証しないと怖いところがあるので、あえて昔のバージョンをそのまま使っています。
OSを替えてLAME3.97も使えなくなったら、バージョンアップさせたいと考えています。
- 2011/11/25(金) 10:54:20 |
- URL |
- 夢 #-
- [ 編集]
今のところは、LAME3.97で納得しています。
でも、最新バージョンには興味もあります。
WAV形式にすればこのジレンマも解消するのでしょうが、それだとiPodを使う意味がないので自分で納得できたMP3形式だけを使っています。
音質に妥協点はないので、自分が納得したところがとりあえずの妥協点でしょうか。。。
- 2011/12/10(土) 07:21:32 |
- URL |
- 夢 #-
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iTunesのイコライザプリセットや音量調整は音楽ファイルを変更するものではないので、設定を戻せば問題ないと思います。
なお、iTunesやiPodの設定はデフォルトのまま何もいじらないほうが一番良いです。
iTunesは音楽管理にはいいですが、iTunes設定での音質向上は期待できないです。
- 2013/02/16(土) 09:04:42 |
- URL |
- 夢 #-
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> 一万円前後か一万円以内でipodに使用できるスピーカーで低音がしっかり聞こえるのはありますか?
1万円は超えますが、Boseのサウンドドックでしょうか?
JBLは1万円程度では一番いいですが、低音は弱いです。
1万円以下だとどのスピーカーも低音が弱いものばかりになります。
ただ、元の音楽ファイルが悪いとどうしようもないことが多いので、「iPodの音質を向上させるテクニック(リッピングの最適化)」は最低限必要と感じています。
- 2013/03/17(日) 06:10:36 |
- URL |
- 夢 #-
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